『コンビニは通える引きこもりたち』を読んで

そうそう、「信じて待ちましょう」とか、「見守りましょう」とか、相談先でよく言われるんだよね。そして「もうちょっと様子を見よう」「もうちょっと...」と思ってしまう親の気持ちもよくわかる。

この本の著者は引きこもり支援団体のスタッフ。「待つ」「見守る」がうまくいかなくて長期化した例をたくさん見てきたのだろう、この「待つ」「見守る」に懐疑的。やってみればいいけど、期限を設けて、それまでにうまくいかなかったら別の方法に切り替えたほうがいい。期限は 2 年くらいが妥当と。

ほかにも、家の居心地をよくすること、親の会に参加すること、親子の会話を重視することなど、今まで割と主流と思われてきた対応にもダメ出しをしていて、一見そういう努力をしている家庭を批判しているように受け止められる。でも、ちょっと視点を変えると、「お母さん、もう頑張らなくていいですよ。私たちに任せてください」と優しく救いの手を差し伸べてくれているようにも見えてくる。ま、金銭的な問題があるから、誰もが支援を依頼できるわけではないけれど。