『「ひきこもり」から考える-<聴く>から始める支援論』を読んで

著者は当事者でも家族でも支援者でもなく、「ひきこもり」を研究されている大学の先生。フィールドワークとして当事者たちの話を聴くと、彼らは「働きたい」「人と関わりたい」と思っていても、意識とは関係なく体が<動かない>のだと気づく。そして<動けない>理由は、彼らが「生きることの意味」を過剰に意識しているからではないかと考えたという。

そうだったのか。確かにそう考えると、我が家のひきこもりの不可解な言動にも説明がつく。本人に直接確かめたわけではないけど、私から見た限りでは当てはまる。生きる意味がわからなくなっているのだから、進学、就労のことなんて考えられるわけがない。言われてみれば納得だけど、言われなければ気づかない視点でした。

タイトルにもある通り本書は本当は<語る><聴く>がメインテーマ。我が家は今は話ができる状況ではないけれど、本人が<語り>たくなったときに<聴く>耳を持ちたいと思った。